BAISOKUです。
今年の6月、「働き方改革関連法案」と呼ばれる労働法改正が成立しました。
来年、2019年4月から施行と期限も迫る中、
企業側の対策も急ピッチで進める必要があります。
しかし、特に中小企業に関しては、現状をどう変えて対策しなくてはならないのか?イメージが湧かなかったり、現状を変えるためにどうすればよいのか?が
具体的にならないために、頭を抱えていらっしゃる方も多いのが現実だと思います。
今回は、特に重要となる改正法と、施行期限、施行前の対策について
少しお話しいたします。
残業時間の上限規制には罰則がある
『働き方改革関連法』関連法と呼ばれるだけあって、1つだけの法律ではありません。
労働基準法、労働契約法など、計8つの法律から構成されています。
特に重要なのが、
<1> 残業時間の上限規制
<2> 年次有給休暇取得の義務化
<3> 同一労働同一賃金
中でも、残業時間の上限規制と有給取得の義務化は、施行日が迫っており、
罰則が付いているため、速やかな対策が必要となります。
<1> 残業時間の上限規制
・時間外労働の上限を年720時間、
・単月100時間(休日労働を含む)、
・連続する2カ月から6カ月の月平均80時間(同)に設定
◇施行時期:大企業ー2019年4月、※中小企業ー2020年4月
<2> 年次有給休暇取得の義務化
有給休暇が年10日以上ある労働者について、最低でも5日の取得を企業に義務付け
◇施行時期:2019年4月
<3> 同一労働同一賃金
正社員と非正規労働者の待遇に不合理な差をつけることを禁止
◇施行時期:大企業ー2020年4月、※中小企業ー2021年4月
上記の残業時間の上限を超えた場合は、罰則として、雇用主に半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。
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※この法案に関する『中小企業』の定義
「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」で
判断されます。上記に該当すれば、中小企業と判定され、上記を超えている場合は
大企業と判定されるため、中小企業対象の「働き方改革法の猶予」が適用外となります。
施行前に、中小企業はどんな対策をしたらよいか?
<1> 残業時間の上限規制に関して
「現状の業務、職域をあらためて確認すること」からスタートしてください。
今、残業が多く発生しているのは、どの部署のどういう業務を担っている社員なのか?それは、一人で行っているのか?複数なのか?
もし、手分けをすれば時間を短縮できそうならば何名かで分担する選択肢も考えられます。
また、取引先からの返答待ちの時間がどうしても発生する…など、
決まった時間からでないと取り掛かれない業務については、
先方との調整が可能か?の検討のほか、
未導入ならば、フレックスタイム制、裁量労働制の導入など、
それぞれの企業にあった対策が必要になります。
<2> 年次有給休暇取得の義務化
こちらについてもまず、
「社員の有給休暇の取得状況を把握すること」が前提となります。
取得状況が悪い部署、社員に関して調査し原因を探索したのちに、
取得を進めるには、どんな対策が考えられるか?
検討するのがよいと思います。
年間の中で、比較的お休みを取り入れやすい時期はいつなのか?
一定の期間、部署内で足りない人数をカバーする業務の見直しなど、
一時の強制や思い付きではなく、年間を通じた計画的な付与を制度化することも考えられます。
<3> 同一労働同一賃金
こちらは、大企業―2020年4月、中小企業―2021年4月からの導入となっています。
企業側は、中長期的な視点で対策を検討しなくてはならないでしょう。
正規か非正規か?といった雇用形態とは関係なく、
業務内容に対して賃金を設定するという法律になります。
「同一賃金」は、不合理な格差を禁止するという意味合いなので
無条件に全て同一ということではありません。
現状では、自社の賃金規定を確認し、同一の業務に関して不合理な格差が起きていないか?をチェックすることから始めるのがよいと思います。
◇
ここまで『働き方改革関連法』施行前にできる対策について、考えてきましたが、
どの制度に関しても、まず自社の業務をあらためて見直し、
把握することが重要なのは、十分ご理解いただけたのではないでしょうか?
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