倍速DXです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)のシステムを導入する際に必要なことは、費用対効果を見極めることです。
導入することで業務が効率的になる面と、初期投資や運用に掛かる費用などが負担になる面とがあり、両者を比較して導入前よりメリットを感じられれば成功だといえるでしょう。
この記事では、費用対効果を高めるポイントと算出方法・導入事例をご紹介します。
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《この記事のINDEX》
- DX導入に必要な費用
1-1.無料で導入可能なDX
1-2.クラウド開発
1-3.フルスクラッチ開発 - DX導入で得られる効果
- DX導入における費用対効果の算出方法3ステップ
3-1.①コストの算出
3-2.②成果の算出
3-3.③費用対効果のバランスを評価する - DX導入の費用対効果を高める2つのアプローチ
4-1.①成果が見込める分野から始める
4-2.②導入しやすい分野から始める - 費用対効果に優れたDX導入事例3選
5-1.事例①人員を増やさず受注増に対応|産業機械メーカー様
5-2.事例②リピート率向上で粗利2桁アップ|カーディーラー様
5-3.事例③1か月で開業!管理業務を1名で対応|学童保育事業者様 - まとめ
1.DX導入に必要な費用
DXの導入には、システムの開発費や従業員の教育費、IT人材を配置するための人件費など、さまざまな費用が発生します。ここでは、導入に掛かる費用はシステムと開発方法の選び方によって異なるという点について解説します。
1-1.無料で導入可能なDX
DXとは、日常のワークフローを効率化させるサービスのことです。無料で導入できるシステムが数多くあり、社内外のコミュニケーションやデータ共有のツールとして活用されます。
例えば、
- Chatworkなどのチャット・メッセージアプリ
- Zoomなどのオンライン会議
- OneDriveなどのオンラインストレージ
などです。
このほか、SNSをマーケティングに組み込んだり、システム開発でOSS(Open Source Software)を利用したりするなど、費用対効果に貢献するDXは多様にあります。
1-2.クラウド開発
昨今トレンドのクラウド開発は、ローコストで導入可能なシステムが数多く存在し、さらに、独自の機能にカスタマイズできる融通性を持ったものもあります。新たな開発を行う場合でも、最小限の費用と時間で必要な機能を実装できるメリットがあります。
また、規模が大きな統合システムでは必要な能力だけ低費用で利用できるなど、費用対効果にとって有利な選択が可能です。
1-3.フルスクラッチ開発
自社のワークフローにぴったりのシステムが必要な場合は、完全な自社開発(システム会社に委託するフルスクラッチ開発)がメリットのある方法です。機能や利用に関する制限がなく、理論上どのような能力も実装できます。
ただし、完成までの期間は長くなり開発費や人件費も多く必要です。サーバーやアプリケーションの更新・メンテナンスなども、自社の負担により実施しなければなりません。
企業に体力があり、開発に費用をかけても効果が見込めるようなシステムならば、メリットを感じられる開発方法だといえるでしょう。
2.DX導入で得られる効果
DXの導入で得られる代表的な効果としては、
- 利便性向上・ヒューマンエラー減少や情報の一元化による生産性向上
- 少人数で運用可能になることによる人手不足の解消
- 運用に関わる人件費などのコスト削減
- クラウド利用による社内外含めた情報共有の迅速化
などが挙げられます。
DX導入による売上アップなどは正確には見極めにくいものの、低減する経費は数値で明確に把握できます。そのため、導入に掛かる費用と削減される経費を比較して費用対効果を判断することは容易です。
3.DX導入における費用対効果の算出方法3ステップ
費用(コスト)・効果(成果)をそれぞれ算出し、両者を比較して評価する3つのステップを解説します。
3-1.①コストの算出
システムを導入する際の費用には、次のようなものがあります。
- 開発費用
- システム導入費用
- 運用保守費用
クラウドシステムを利用し新規開発がなければ、開発費や運用保守に関わる費用はかかりません。ただし、導入費用や人材配置に関わる費用は発生します。教育の必要性等を含めて、複数のクラウドサービスへ見積もりを依頼し、比較検討しましょう。
DX導入にかかる費用を総合的に考慮して算出することが重要です。
3-2.②成果の算出
DXの導入によって新たな分野の利益が発生する場合は、成果として計上できます。また、デジタル化の前提があって初めて成立するサービスもあるため、新規参入して得られる利益はDX化の成果です。
例えば、DX化によってペーパーレスに成功したというような直接的な結果のほか、作業の効率化に伴って削減される時間コストも成果として計上できます。
従来の人材を他の部署に配置し新たな利益を生む見込みがある場合には、同様にDX導入の成果と見積もってもよいでしょう。
3-3.③費用対効果のバランスを評価する
導入に掛かるコストと成果の数値化が完了すれば、両者を比較して費用対効果を算出します。
費用対効果はROI(Return On Investment)= 投資利益率とも呼ばれ、次のような計算式で求められます。
ROI =(利益ー投資額)÷ 投資額 × 100(%)
ROIの値が大きいほど費用対効果は優れています。投資額を抑えれば数百%というオーダーの大きな効果も期待できます。
このように、DXを導入する際には試算を事前に行い、費用対効果を正確に見極めることが重要です。
4.DX導入の費用対効果を高める2つのアプローチ
DXを導入する際の費用対効果を高めるには、効果が見込める分野に着目する方法と、手軽に始められる分野に着目する方法との、2つのアプローチがあります。
それぞれについて解説します。
4-1.①成果が見込める分野から始める
現状、DXを導入していないことが非効率だと断定できる分野があれば、そこにシステムを導入することで成果を出せます。
例えば、現行システムが社内サーバー上で稼働している場合、クラウドに移行することで経費削減の効果が見込まれるでしょう。作業の効率をよくすることはほぼ間違いありません。
4-2.②導入しやすい分野から始める
DX化を検討している場合は、シンプルなワークフローを置き換えるような、低費用のシステムから導入することがおすすめです。システムの活用に慣れていない会社や職場では、大がかりなものを突然導入しても使いこなせない可能性があり、混乱の原因となります。
例えば、電子印鑑による決裁への移行や、無料で利用できるコミュニケーションツールの導入などから始めるとよいでしょう。
順次他の業務をDX化する予定がある場合、全体イメージを作ってから支障のない形で部分導入を進めるとスムーズにDX化できます。
5.費用対効果に優れたDX導入事例3選
倍速DXには、費用対効果に優れたDX導入事例がいくつもあります。ここでは、3つのケースについて概要をご紹介します。
5-1.事例①人員を増やさず受注増に対応|産業機械メーカー様
【課題】
- 受発注用のツールをMS-Accessで内製
- ツールの担当者が退職し継続不能に
- 代わりに導入した汎用パッケージが自社のワークフローに合わない
- システム会社に開発を依頼すると高額で長期間かかる
【導入の概要】
- 受注 → 売上
- 発注 → 支払
- 粗利
これらの管理にクラウドシステムを導入。また仕入先・配送業者向け情報(生産計画表など)を利用者に公開。
【効果】
- 受発注処理が確実に
- 仕入の日次決算が可能に
- FAXや紙のやりとりが減り確認作業が迅速化
結果、現在の人員のまま受注(生産)を1.5倍にでき、投資も回収できた。
5-2.事例②リピート率向上で粗利2桁アップ|カーディーラー様
【目標】
見込客・既存客の再来店を促し、買い替えまでのサイクルを完全管理する営業支援システム(SFA)の構築。
【導入の概要】
- 来店 → 商談 → 成約
- 受注 → 出荷依頼 → ナンバー登録 → 納車
- アフターフォロー(定期点検・車検・タイヤ交換)
これらのフローにおける受注・顧客管理やステータス管理にクラウドシステムを導入。
また、点検・車検・保険更新の案内ハガキの自動作成や、営業スタッフの業務ツールを含む統合的なSFAを構築。
【効果】
- 顧客のタイプや利用状況別に異なるDMデータを迅速に抽出
- 印刷会社へのハガキ制作依頼を自動化
- 開始4か月でハガキの送信枚数が2倍に
結果、再来店率が上昇し、粗利2桁アップを達成した。
5-3.事例③1か月で開業!管理業務を1名で対応|学童保育事業者様
【目標】
学童保育スタートアップ事業を支援する。
学童保育の業務全般をシステム化しフランチャイズに対応する。
【導入の概要】
- 会員
- 会費
- スケジュール
- 入退出
これらの管理にクラウドシステムを導入。
また、保護者と学童保育事業者とのコミュニケーションツールやメール配信機能、Webカメラと連携して教室の様子を見られる機能なども実装。
【効果】
結果として、ご相談から約1か月の短期間で事業をプレオープン。学童保育の管理業務を丸ごと、管理者1名で対応できるシステムに仕上げた。
6.まとめ
DX化推進の際には、費用対効果(ROI)を見極めることが重要です。
ROIが高いことは利益のよさを示すだけでなく、導入する企業の経営者や職場の管理者が、導入の意義や満足を感じられるという効果もあります。
導入のポイントを絞って成果を明確にし費用を抑えた方法を選択して、費用対効果の最大化を目指しましょう。 DX化の推進は、実績豊富な倍速DXへぜひご相談ください。
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