「平均」のワナ。

BAISOKU です。

日頃、お客様の膨大なデータに接しています。
せっかくのデータを、ぜひ経営の武器として使っていただきたい!という思いで、弊社吉沢が名付けたのが「IT武器思考」という考え方。

それでは、少し趣向を変えまして、データに関する「小ネタ」をご紹介したいと思います。

今回は、分かっているつもりでも意外と間違いやすい「平均」について。
「平均」なんて小学生でも分かるじゃないか、と笑った方、
本当に理解できてるかな・・・となるかもしれません。

例として、小売業をあげてみます。
ごくシンプルに考えると、
 売上 = 客単価 × 客数
ですね。

では、客単価はどのように算出するでしょうか?
 売上金額 ÷ 客数 = 客単価
ですね。

というわけで、売上をUPさせるためには、客単価を上げるか、客数を増やすか、
が必要となります。

この時、客単価となる指標に何を使えばよいでしょうか?

もし、
全体の売上金額 ÷ 客数 = 一人当たり客単価の平均
と考えたとするとかなり危険なことになります。

例えば1ヵ月に、
客単価:2,000円の客が60人
客単価:5,000円の客が30人
客単価:10,000円の客が10人
だったとします。

一般的には
((2000×60)+(5000×30)+(10000×10))÷ 100 = 5750
一人当たり、平均5,750円のお買上げ、と考えますよね。
これを「算術平均」といいます。

お客様をあと10人増やせば、5750 × 10 = 57,500円
の売上アップ!となるわけです。

ですが・・・
ちょっと待ってください!真の平均は違うところにあるのです。

キャプチャ

上記のグラフをご覧ください。「中央値」というのは、全体を構成する値を小さい順(または大きい順)に並べた時、真ん中の値(全体が偶数の場合は前後の平均)のことです。

この場合は、お客様が100人なので、下から(または上から)数えて50番目と51番目の値を足して2で割ります。(2000+2000)÷ 2 = 2000

つまり、このお店の客単価は、2,000円のほうがより近い、ということになります。
お客様を10人増やせば、57,500円の売上アップだ!と目論んでいたのに、
実は、20,000円しかアップしなかった・・・
などとならないよう、要注意ですね。

もちろん、算術平均の値と中央値が近い場合は、通常の平均で考えてOKなのですが、
上記の例のように両者に差がある場合は、中央値を平均値として客数をかけたほうが、より正しい予測ができる、というわけです。

このように、ちょっとしたことではありますが、知ってると知らないでは大違いの「データ分析」。
身近なネタで、また活用方法をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!


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