IT補助金で何をどうしたいか?vol.1~[医療] [飲食] [運輸]

BAISOKUです。

中小企業、小規模事業者のIT化を推進する目的とした『IT導入補助金 2019』の申請が、5月27日(予定)よりスタートします。

HPには、「日常的に発生する既定の業務を効率化できるITツールや、情報を一元管理するクラウドシステム等、汎用的なITツールの導入に活用できます!」という説明が記載されていますが、業種、業界、会社の規模、立地など、状況は企業、それぞれ。

日頃よりこのブログでも、「BAISOKUは、企業様の状況を丁寧にヒアリングし、その企業様に合ったオリジナルのシステムを開発します。」とお話していますが、弊社の事例だけでなく、

ほかの企業はどのような状況でシステム導入を決断し、補助金申請したのか?

をもう少し見てみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、『平成30年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業』のサイト内に記載されている『IT導入補助金活用による生産性向上事例』から、[医療] [飲食] [運輸] の業界について概要をご紹介してみます。
(※サイト内では実社名、所在地等明記されていますがここでは控えています)

【目 次】————————————————————————————-

1.医療系:K薬局 ~ 調剤対応科を増やしたことで業務量が増加

2.医療系:A歯科医院 ~ システム間の未情報連携、間接業務の非効率

3.飲食:K家 ~ 経理業務の安定性と効率性の両面で課題

4.運輸:S運輸 ~ 本社経理部門の業務効率化と※BCP対策
         ※BCP《business continuity plan》事業継続計画
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\1.医療系:K薬局 /

耳鼻科を中心とする地域密着型の調剤薬局。在宅介護の薬管理のサポートや薬の配達も行う薬歴管理とレセプト業務一体型のITツール導入により、大幅な業務時間削減を実現した。

◆ IT導入の効果:166時間 ~年間業務削減時間(推定)

◆ 組織概要
所在地:神奈川県
設 立:平成25年
従業員:9名

◆ IT導入のきっかけ
調剤対応科を増やしたことで業務量が増加。新たなレセプトコンピューター導入を検討
 ※レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピューターもしくは専用ソフト

・ 調剤対応科を増やした2年目ぐらいで、業務量と煩雑さが増し、業務効率化が課題となっていた。特にそれまで使用していたレセプトコンピューターは、所要時間、入力のしづらさ、薬歴管理面など、業務効率化を図る上でのボトルネックになっていた。
・ インターネットでIT導入補助金の存在を知り、補助金の利用が可能であることが分かり導入を決断。

◆ 取組みの内容
電子薬歴管理システムとレセプトコンピューターが一体となったITツールを導入

◆ 効果
従来3名で行っていた経理業務を1.5名でできるようになり、超過勤務もゼロに。

・ 薬歴管理の電子化により、患者様情報の確認時間が削減したことで、お薬の提供スピードが向上し、満足度向上につながっていると実感。また、紙の保管スペースの削減にもつながった。
・ 薬歴管理面では、1件あたりで薬歴を探す時間が約30秒、記入時間が約10秒短縮されたため、年間約133時間の業務削減効果(推定)。
・ レセプト業務では、入力作業が1件あたりで約10秒削減されたため、年間約33時間の短縮、出力業務は月15分削減されたため、年間約3時間の短縮となり、合計で年間36時間の業務削減効果(推定)。

◆ IT化対象ジャンル:《顧客管理》 《販売・店頭》

 

\2.医療系:A歯科医院 /

口腔機能だけでなく、体のケアも考えた治療に取り組んでいる歯科医院。
ITツールを利用したサービス品質の維持向上と、間接業務の効率化を実現した。

◆ IT導入の効果:労働生産性推移:19.8% 売上推移:26.8%(後年報告資料より)

◆ 組織概要
所在地:福岡県3
設 立:昭和7年
従業員:7名

◆ IT導入のきっかけ
システム間の情報連携ができてなかったのと、間接業務の効率面で改善の余地があったため

・ 以前より、顧客情報管理とレセプト処理業務にシステム導入していたが、相互の情報連携ができていないため、患者の情報確認に時間がかかる、レセプト業務に何百枚も紙を印刷するなど、間接業務の効率化の余地があった。

・紹介されたシステムがIT導入補助金の対象になると聞き、ITツール導入による効率化を実現できれば、投資も回収できると考え導入を決断した。

◆ 取組みの内容
電子カルテ作成や、レセプト・検査記録業務機能を搭載したITツールを導入

<導入の進め方>
・院長が中心となって導入を進めた。
・医院のスタッフは業務のことを理解しているため、導入後に一通りの説明を受けるだけで、スムーズに業務にあたることができた。
・ ツールを利用する上で不便がないように、一人ひとりの専用端末を用意した。

◆ 効果
待ち時間の短縮により、患者の満足度が向上。効率化によって対応可能な患者数が増えた

・ 過去情報の検索や予約確認といった受付業務の効率化によって、対応可能な患者数が増えた。
・ 受付業務が効率化されたことで待ち時間が短縮し、満足度が向上した。
・ レセプト関連の業務では、以前は毎月1~2時間かけ、約300件程度を紙に印刷していたが、1枚のCD-Rの作成で済むようになった。
・ タブレット端末から歯科検診の記録ができるため、サービス現場の業務効率が向上した。
・ スタッフの業務が楽になったことでスタッフのモチベーションが向上した。

◆IT化対象ジャンル:《コミュニケーション》《財務・会計管理》《決裁》

 

\3.飲食:K家 /

鰻・川魚料理店。クラウドサービス型会計システムの導入により業務の正確性が向上

◆ IT導入の効果:▲2週間 ~(見込み)資金繰り表作成・出力業務

◆ 組織概要
所在地:東京都葛飾区
設 立:安永8年(1779年)
従業員:45名

◆ IT導入のきっかけ
経理業務の安定性と効率性の両面で課題を抱えていた

・ 以前はインストール型の会計・給与ソフトを利用しており、バージョンアップの手間や会計業務の安定性の面で課題を抱えていた。
・ 毎月の会計事務所のチェックも、来社してもらう必要があり、都合がつかず期間が空いてしまうこともあった。
・ 税理士から、クラウド型の会計ソフトへの移行とIT導入補助金の活用について提案を受け、上記課題解決に期待が持てたことから導入を決断した。

◆ 取組みの内容
クラウド型会計ソフトへの移行と販売管理システムとの連携を実現

・ 会計ソフトをオンプレミス型からクラウドサービス型へ移行
・ 従来別々に機能していた、会計システムと販売管理システムの連携

<導入の進め方>
・ 会計システムは3ヶ月、給与システムは1年間、新旧システムを並行稼働してデータの整合性をチェックしながら移行を行った。

◆ 効果
バージョンアップ作業の手間から解放され、業務の正確性も向上した

・ クラウドサービスにより、パソコンの故障等によるデータ消失の心配がなくなり、ソフトウェアのバージョンアップ作業の手間から解放された。
・ 会計事務所がクラウド経由でいつでも会計情報をチェックできることで、複雑な処理などもすぐに確認・修正してもらえるようになり、業務の正確性が高まった。
・ 今後は資金繰り表も出力できるようにする予定で、これができるようになると、Excelと手作業で行っていた業務が自動化され、年間約2週間分の業務削減が見込まれる。

◆ IT化対象ジャンル
・原価・業務管理
・財務・会計管理

 

\4.運輸:S運輸 /

重機・機械、樹木などの専門技術を必要とする運送サービスを提供。
クラウド型会計システムの導入で各拠点がつながり、情報の「見える化」と業務効率化を実現した。

◆ IT導入の効果:導入前4日、導入後1日 ~本社における月次経理処理所要日数

◆ 組織概要
所在地:埼玉県
設 立:昭和40
従業員:111名

◆ IT導入のきっかけ
4拠点の経理業務を本社のみで行っており、業務効率化とBCP対策が長年の課題だった。BCP《business continuity plan》事業継続計画

・ 本社以外の4拠点の経理業務を本社のみで行っていたため、各拠点からの書類の収集・入力作業や月末の経理処理が集中していた。この非効率な状態は30年以上にわたって続いており、効率化が長年の課題だった。本社一極集中の解消は、BCP対策の面でも課題だった。
・ 税理士事務所から今回導入したITツールを紹介された。課題解消が期待できるものの投資判断のタイミングが見計らっていたところ、IT導入補助金を教えてもらい、導入を決断した。

◆ 取組みの内容
各拠点に経理処理を分散させるため、クラウド型会計システムを導入

<導入の進め方>
・ 取締役(総務部長)、税理士、支援事業者の三者で導入を進めた。
・ 教育に関しては、支援事業者が各拠点を回ってサポートを行った。
・ 決算時期にあわせた良いタイミングでの移行となった。
・導入を予定していた3拠点のうち1拠点は現在未導入だが、運用体制や組織の見直しを行った後、導入を予定している。

◆ 効果
クラウド化により各拠点がつながったことで、経理情報の「見える化」と経理業務の効率化を実現

・ 業務効率化によって時間に余裕が生まれ、これまで手が回っていなかった経営資料の作成や、営業情報の社内共有に時間を割くことができるようになり、業績にも好影響を与えている。
・ 毎月4日程度かかっていた経理処理が、現在は1日弱に短縮するなど、営業所と本社間の情報共有と、経理処理の時間短縮につながった。

◆IT化対象ジャンル
・原価・業務管理
・財務・会計管理
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いかがだったでしょうか?
業種は違うけど、ウチ(もしくは顧客)の状況に近いものがあった・・・
という方は、一度置き換えて考えてみていただければと思います。

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そうは言っても何から手を付けていいかわからない。
自社でデータ分析なんてできない!面倒!!という方、
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