BAISOKUです。
ようやく重い腰をあげて自社のIT化実現に動き出した時、直面する壁は残念ながらいくつもあります。1つ、ITが分かる人がいない、2つ、自社のどこをIT化するか決められない(業務の切り分けができていない)、そして3つめ、高額なシステム開発費を捻出できない、そもそも投資効果が不明確。この負のループを抜け出すために、まずはこの記事をお読みください。
<ダイジェスト版>『ITシステム導入で全社員が利益づくりのプロに育つ ~失敗しないITシステム入門講座~』の内容を一部抜粋してまとめた、その第4章です。
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┃第 4 章:大きな壁『システム開発費用問題』を乗り越える方法
多くの経営者様は「1,000 ~ 2,500 万円もするシステム開発費をどう捻出したらいいのだろう?」と、その壁の前で立ち止まってしまうと思います。
私の経験から、どの会社の社員も「1 日当たりの業務の中の約3割は、ITシステムに移行できる無駄な業務である」 と感じています。この章では、それを踏まえて『システム開発費用問題を乗り越える方法』についてお話します。
◆システム開発費は簡単に回収できる
ITシステム導入の費用対効果の計算事例を紹介します。
たとえば、ある会社に30 人の正社員いるとします。この会社で働く社員が『ITシステムへ移行可能な業務を1日あたり何時間行っているのか?』を想像してみましょう。ITシステムを使わずに生じている業務の人件費(残業代)は1カ月当たり約200 万円、1年間で約2,400 万円と算出されました。
私は、ITシステム導入があれば節約できるこの2,400 万円の50%をITシステム製作に投入してもよい。いや、投資すべきだと考えています。ITシステム導入への投資は僅か1年で回収できます。下手な機械設備への投資よりも、格段に費用対効果の高い設備投資といえるのです。
◆ 社員がトライ&エラーを繰り返して『利益創出』の名人になっていく
とはいえ、本当にITシステム導入の本領が発揮されるのは2年目からです。その理由は次の2つです。
1.ITシステムを1年間運用したことで、そこに貴重なデータが蓄積されること。
2.全社員がITシステムを1年間使ったことで、社員の意識が「私は利益を創り出すために仕事をしている。会社の利益を増やすと、私たちの給料も上がる」という意識に変わる。
この意識変化が、会社に継続的な利益をもたらしてくれるのです。ITシステムを活用し、今までは見ることができなかった利益に関する数値をリアルタイムで共有することで、社員が自然に成長し『データ』という言葉を使い始めるようになります。
◆ チームが一丸となって最大利益を目指す。全員で社員全体の賃金を上げるぞ!
『全体最適』という用語をご存知でしょうか?
チーム全体や会社全体が最適な状態である』、ということです。その反対の『部分最適』は、一部の人や一部の組織にとっては最適だが、一部の人や一部の組織にとっては最適ではないということです。
日本の会社の多くは『部分最適』になっています。会社全体の利益よりも、個人の利益、自分が所属する部署の利益を優先する組織になっています。
たとえば、営業部が受注量を1.2 倍に伸ばして、営業部の賞与が2割アップしたものの、生産部にとっては受注の急増が大きな負担になり、残業の増加、不良品が多発して、生産部の利益が大幅にダウン。結果、生産部の賞与は2割減。会社の売上げは20%も増えたのに会社全体の利益は僅か3%増という結果になります。さらに、営業部と生産部の信頼関係も崩れてしまったのです。このように、『部分最適』では、利益の最大化を実現できないのです。
もし、あなたがITシステムの導入を真剣に考えているのなら、そのITシステムに『全体最適』という考え方を取り入れて、全社員が一丸となって会社全体の利益を増やすと共に、社員、お客様、仕入れ先、協力会社も利益を得て喜んでくれる組織づくりに取り組んでください。以上、第4章:大きな壁『システム開発費用問題』を乗り越える方法 より。
以上、第4章:大きな壁『システム開発費用問題』を乗り越える方法 より。
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著 者: 吉沢 和雄
発売日: 2020年9月10日
価 格: 本体900円+税
仕 様: A5・79ページ
発 行: 株式会社BAISOKU
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