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倍速DXの「IT武器化思考」が生まれた背景

今日の吉沢

 

もともと倍速DXは、業務のシステム化の際は、会社の全体最適化を図るべきである。そのためには、業務の流れを会社全体でとらえた、一つのシームレスな仕組みをつくるべきである、と考えていました。

しかし、そのやり方を追求すればするほど、一般的にいうところの汎用性のあるシステム、効率のよいシステムはできるものの、実際に使う人からは「自分の業務に最適なやり方ができない(今までのやり方がよかった)」「使い勝手がよくないと感じられる」、という率直な意見を聞くことが多くなりました。

つまり、「全体最適化」という仕組みと、「個人の実際の業務」の間に微妙な乖離が見られることがわかったのです。

こうなると、無駄のないシンプルなシステムであればあるほど、経営者からみると「せっかくシステムを導入したのになぜ使えないの?」と、「使えない人が悪い」ことになってしまいかねません。
そのギャップを埋めて、実際に「使い勝手のよいシステム」にするためには、個別に膨大な量の微調整が必要でした。これは、開発する側にとって、多くの時間と工数(作業)を負担することを意味します。

倍速DXとしては、シンプルで無駄のないシステムを納めることを理想としているのに、現実的には個別最適、部分最適に調整をせざるを得ない。この大きな矛盾と葛藤する日々でした。

そんなある日、「そうか!これでいいのか!」と、はた、と思い当たったことがあります。システムを使うのはあくまでも「個人」だということです。

全体最適=会社で一つ、というシステムをつくろうとすればするほど、一方で個別最適化が必要になっていたのです。

そこで、発想の大転換を行い、個人の頭の中にある仕事の特殊性に焦点をあてて、それを仕組化すれば、他の人も同じように仕事ができるようになるのではないかと考えました。

個人の仕事を「武器化」して、他の人も使えるようになれば、結果として全体最適のシステムになる。個別最適と全体最適は相反するものではなく、個別最適の「武器」が全体最適の武器にもなるという、逆転の発想でした。

ここに行きつくまでにたいへんな遠回りをして、ようやく得た気づきでした。
従業員数に限りのある中小企業では、一人の担当者が長年同じ業務を担当することが多く、個人が仕事を抱え込んでしまいがちになります。経験を重ねることで、自分なりの仕事のやり方が確立される反面、何年も同じ仕事を続けることで、変化や進化がしづらい、という弊害も生まれてきます。

また、会社全体としての効率や生産性という視点は、当事者にはなかなか持つことがむずかしいものです。

そこで倍速DXは、その人の業務の「特殊性」に着目し、最初からその業務の担当者用に「特殊な仕組み」をつくればいいのではないか? と考えたのです。
起点はあくまでも個人の頭(脳みそ)の中。その人の仕事のやり方と、その人が頭の中に抱えているデータを、外に出して仕組化すればいいのではないか、と。

そうして、今度はその仕組みを、他のメンバーでも使えるようにすればいい、それを会社全体でも使えるようにすれば、結果的に全体最適化が可能になる、と考えました。

全体を最適化し、個人がそれに合わせるのではなく、個人に焦点を当てたものを全体化するという逆転の発想に至ったのです。これがIT武器化思考の原点です。
会社にはさまざまな人がいます。ある業務のスペシャリストもいれば、一人で何役もこなしている人も、またITリテラシーが高い人もいれば低い人もいます。どれだけ完成度の高いシステムを作ったとしても、そこで働く人が使いにくさを感じ、システムを敬遠してしまえば意味がありません。

ゴールはあくまでも全体最適であっても、会社はそこで働く人が主役です。

そこで働く人の知識や情報を、「仕組み」として頭の中から外に出してやれば、ほかの人も使えるし、個人の負担も軽減されるようになります。
そうして個人に合わせて作った仕組みの一つひとつを積み上げて、全体に広げていくのが全体最適だということに気づいたのです。

徹底して個人に合わせたシステムをつくることによって、逆に汎用性を持ったシステムが生まれてくる、というわけです。
一人ひとりに合わせてつくったITシステムは、その人にとってのオーダーメイドの武器となります。仕事を武器化して外出しすることで、仕事のキャパシティに余裕が生まれ、新たな仕事ができるようになります。

これは、会社の収益を上げるだけでなく、その人自身の仕事のステージを高める、ひいては賃金を上げることにまでつながります。
 
一般的にITの導入というと、会社全体を最適化するシステムを導入し、会社で一つのシームレスな仕組みを作ってそれを従業員に使わせる、という流れが主流です。

しかし、倍速DXは個人の業務を仕組化し、ほかの人も使えるようにする、さらには会社全体でも使えるようにして、結果的にシームレスな仕組みで全体最適化を図れるようになる、という方向で、IT化・システム化を行っていきます。

この従来とはまったく逆の発想を、私たちはIT武器化思考と名付けたのです。

 次頁の「図解・IT武器化思考」で、今まで述べてきたIT武器化思考をイラストで説明しています。ご参照ください。

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