おはようございます!BAISOKUの吉沢です。
「六中感」後半の4つめは
「壷中有天(こちゅうてんあり)」です。
「壷中の天(こちゅうのてん)」という言葉を聞いたことが
あるでしょう。
安岡先生の『百朝集』の註によると:
「世俗生活の中に在って、それに限定されず、 独自の世界即ち別天地をいう。
後漢書方術伝・費長房の故事に出ず」
とあります。下記の物語が出典となっています。
—
《壺中有天》(後漢書より)
費長房(という人)が夕方役所の仕事を終えて、
2階から何気なく通りを眺(なが)めていると、
露天商の薬売りの老翁が、
店をたたみ後ろの壷の中へ消えてしまった。
不思議に思った費長房は「あれが仙人というものだな」と
翌日待ち構えて
「私は昨日、あなたが壷に入って消えてしまったところを
見ました。私も連れて行って下さい」
と大いにせがんだ。
老人は
「見られてしまったか仕方が無い、ついて来なさい」と
大きな壺の中に誘った
壺の中に入ってみるとそこは、花が咲き、鳥が鳴き
真っ青な青空が広がる別世界だった
—
安岡正篤先生は、
「人間はどんな境地にあっても、自分だけの内面世界はつくり得る。
いかなる壷中に天を持つかによって人の風致が決まる」
「たとえ一日5分でもいいから、壺中天有りの生活をせよ」
とおっしゃっています。
人はどんな境遇の中にあっても、自分だけの内面世界を持つことができる。
俗世間から離れた自分だけの別天地。
そこに何をもってくるかで、人間の風致風韻が決まる、と先生はおっしゃっています。
さて、あなたの壷中の天は何ですか?
◆今日の一言
「壷中の天」
いかなる現実であっても、現実を離脱した別天地、俗世間を持つ、
自由な楽しい境地を持つことを「壷中の天」といいます。
小さな壺の中にも、無限に広がる大宇宙は、
存在しているということなのです。
私は、氣功動作をする時には、この壺中天を常に意識しております 。
安岡正篤先生