BAISOKUです。
ある方からこんなメールが届きました。
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興味深いニュースがありましたので、
シェアさせていただこうと思いご連絡しました。
先日、こんなニュースが配信されていました。
『「AIで数秒」のはずが…保育所選考、連休返上で作業 さいたま市』
:毎日新聞
何がおかしかったのでしょうねぇ。
常識的にはうまくいきそうですが、
何か原因の可能性として推測されることありますか?
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このメールに対する吉沢からの回答
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開発企業として名前があがっている大手が手掛ける仕事は、
普通は最初はこうです。
(銀行が失敗するのも同様)
各論に問題があるのではなくて、
実際の作業は元請けの関連会社の下請けの孫請けの、、、
というところが作業しています。
また、成功例として挙げられているようなテスト中のデータと、
本番のデータでは精度が異なります。
うまくいくような条件下で行うテストは、うまくいくようにデータを準備しますし、
本番のデータとはデータの量も違うし、データクレンジングの度合いも違います。
想定可能な範囲のケースで問題ないことは確認されたのでしょうが、
イレギュラーなデータもありますし、想定外の結果がでることもあります。
「数秒で処理が完了すること」が強調されていますが、
目的を果たすという意味では、1時間かかって処理が完了しても別に構わないのに
数秒で終わること に意識がいっているように見受けられます。
本来は、最初は80%とかの精度で、使いながら100%に近づけるというのが
正しいAIの使い方(現状では)です。
最初から100%いけると思わせてしまうのが
そもそもAIの使いかたとしておかしいです。
どうも目標値の設定の仕方があっていないように感じます。
まずは現場の課題を解決することが大事なので
1時間かかって処理する、でもよかった。
処理できないものは、エラーリストを出力して、後で人間が処理する、
というようにしてもよかったのではないでしょうか。
冒頭に申しましたように、これを「失敗」と受け止めるのではなくて
一般的には普通はこの程度なんです。
なので、AIが悪いとか開発した企業が悪いというのではなくて、
あとは頑張って精度をあげていけばよろしいかと思います。
<教 訓>
AIは少しずつ精度を上げるもの。
一定の期間、長い目でみてやらなければいけないデータの学習によるものなので
一足飛びにゴールはない。
(本音をいうと元も子もないですが)
この程度の仕組だと、単に総当たりマッチングなだけなので、
AIというほどの代物ではないです。
今回のケースでは、
「児童の入所希望と保育園の空き具合をリアルタイムでどうマッチングするか?」
というところがキモなので、
保育園側の空き状況がリアルタイムでわかっていないと、
(つまり、空き状況を保育園が随時入力し、それをクローリングする)
マッチングしても実際には空いていなかったり、希望にマッチしなかったり、、、
というところがあるので、うまくいかないのではないかと思っていました。
以上、考察でした。
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